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good job [仕事]

暦の上では大雪ですが、暖かいです。今のところ・・・
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    水仙はグングン伸び 
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    春に咲く花の種をこの前撒いたらもう芽が!
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   <枕紙>  木枕の上の小枕を覆う紙・・・広辞苑・・・

 

我が家は一人で営む理髪店なのに
多いときは同時に4店の問屋さんが出入りしていて
それが景気が悪くなるのと大資本の安床があちこちに出店してきたのとで
最初は大手の問屋が倒産し、その後一つ減り、二つ減りし
今ではとうとう一番古くからの付き合いであるY商店のみとなってしまいました。

問屋さんにはそれぞれ得意分野があり、化粧品を例に取れば
重なる部分はあってもK化粧品ならY商店、S化粧品ならK商会という具合で、
微妙にそれぞれが必要な存在なのでした。

数年前に経営をやめたK商会しか取り扱っていなかった品が「枕紙」。
椅子を寝かせて顔を剃るとき椅子の枕に当てるための、枕カバーにあたる紙です。
自分の家の枕なら枕カバーを使用して、汚れたら洗えますが
一つの枕を不特定多数のお客さんで使用する理容椅子、
布製の枕カバーを一人一人取り替えるわけにもいきません。

うちの店では昔からこの枕紙を使っているのですが
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この紙を仕入れていたK商会が商売をやめたらしいと、同じ問屋のY商店から聞いたときは
これからどうしたらいいのか途方に暮れたものでした。

「枕紙」の在庫がまだあるうちは「何とかなるかも」と不安な思いをごまかしていたものの
だんだん残り少なくなるにつれ心細くなって
唯一取引のあるY商店の若旦那と「枕紙ある?」「いや~、扱ってませんね~」の問答を
何回も繰り返しました。

そうこうするうちに最後の一枚がなくなってしまい
代用品として同じような大きさのシェービングペーパー(剃り毛を採る紙)をしばらく使っていましたが
分厚くてフニャフニャしていてどうにも使い勝手が良くない。

そんな先週の休日、のんびりテレビを見ていると店のドアが開き
「オカアサン、オカアサン」の声。
ん?休みなのに誰?親しげに・・
「オカアサン、サインポール回っとるよ!」
「ええ~!ホント?どうしてやろ」
出てみたらドアの前にニコニコ笑って立っていたのはY商店の若旦那でした。

「朝つけた他の電気を消す時に間違ってスイッチ入れたんやわ」と言いながら
ちょうど良かったと必要な品を注文し
ついでにまた「枕紙ないかねぇ」と言ってみました。
当然ながら返ってきた返事は「ないですねぇ・・」。
「他のお店はどうやってるの?枕紙使わんが?」
「そうですね、そのままか、タオルで代用したり・・」
「いくら最近はマメにシャンプーするからといっても、嫌でない?前の人のをそのままなんて」
「それはそうなんですけど・・」
「私、紙売ってるとこ行って同じような紙探してきて、裁断して使おう思とるがやぜ!」
「そうですか。それもいいですね」
「そうやろ?Yさんやれば?自分とこで裁断して束ねて売ればいいじゃん。丸儲けやん」

その日はそれでおしまい。

数日後Y商店の配達の人が来て注文の品の入った袋を置いて行きました。 
すぐに品物の入った袋を覗いたら・・・自分の目を疑いましたね。
K商会から仕入れていたのと全く同じ「枕紙」が入っていたのです。

やるじゃん、若旦那!
手を尽くして探してくれたんだろうなぁ。
納品書を見たら写真の一束の値段はたったの350円。
儲けもほとんど無いだろうに。
今度集金に来たら褒めてあげよう。 
そしてまとめてたくさん買ってあげよう!

 

 


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オトコの“眉” [仕事]

真夏に撮った少し秋を感じさせる風景
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                                8月15日 倉敷にて

今月に入ってから最高気温が25℃前後の日が続き、ずいぶん過ごしやすくなりました。
酷暑の影響か毎日の抜け毛が半端ではありません。
私の髪は太いので、落ちていても目立つのです。
今は身体をいたわり、新しい毛が生えてくるのを待つばかり。。。

お盆休みの最中、常連客のSさんから電話がかかってきました。
「○○町のSやけど、いつから営業する?」

Sさんは私がこの仕事を始める前、母の代からの常連さんで
今は頭髪が少し寂しくなってしまった40代後半男性。
くせ毛でやわらかい毛質なので散髪は3ヶ月に一度程度です。

この前散髪してからそんなに日が経ってないのにと一瞬思ったのを察したのか
「いや、俺じゃなく、息子!今帰って来てるから」

Sさんには年子の息子が二人いて、長男は大学生で次男は専門学校に通っています。
子供達が小さいときは祖父と同じ床屋に行っていたらしく、二人ともウチには来たことがありません。
おしゃれ盛りの男の子が新たにこんなオバチャンの床屋に来るなんて
何かの間違いではないかと思いつつ、休み明けの日がやってきました。


当日来たのは次男の方。
「どんな感じに切るの?」
「短めで」
次男坊はとてもシャイで口数が極端に少なく、間を持つのに苦労しました。
「いつもは美容室やろ?」
「いや、床屋です」
「あら、そう?どこの?」
「イ○ンの」
「あ~、安床やね。あっという間に終わるやろ」
「はい」
「顔剃りなし?」
「はい」
「今日は顔剃りどうする?」
します!(このときはキッパリ)」

髪は長めのスポーツ刈りで、続いて顔剃り。
ヒゲはまだないのですぐ剃り終わり、
眉を見ると近頃見たこと無いような生え放題の眉でした。
  
こんな感じ(平成11年のヘアカタログより)
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今時の若者は皆眉を自分で上手にカットしているので珍しいなと思い
「眉そったことない?」と聞いてみると
「はい」という返事。
「どうする?眉整える?」
「はい、やってみます!!」
「ほぉぉ~、やる?」

おとなしい子なので少し控えめに眉を整えてみたけど、どうも中途半端で田舎くさい。
手鏡で眉を見せて、「どうする?もう少し細くする?」
「うん」
それならと、ヘアカタログからあまり過激でないのを選んで見せ
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「これくらい どうかな」
「(大きく頷く)」

全部終わって椅子を起こして鏡と対面した彼、
照れくさそうに「オオ~」

嬉しそうにニコニコと(という風に見えた)帰っていったけど
時間が経つほどに私の不安は募る。

本当に満足してくれたのか。
純朴でまじめなSさん一家(じいちゃん ばあちゃん 両親)の反応はいかに。
その日はいつ抗議の電話がかかるかとびくびくしながら過ごしたのありました。

一晩寝て前日の記憶もすっ飛んだ翌日
突然の電話です。
「あのぉ~Sやけど、」
[ふらふら]ヤバっ、Sさんのお祖母ちゃんや!「ウチの孫に何してくれた!」と言われるに違いない。
と思った瞬間
「今空いとる?今度は上の子が行きたい言うとるがやけど」

ああ良かった、クレームじゃあなかった。

県外の大学に行っているお兄ちゃんは弟と真逆の性格で
椅子に座るなり
「弟、しゃべりました?」と明るい明るい。
そして「あのぉ、オバサンの息子さんも大学生?」と話しかけてきました。
一瞬意味が分からなくて
「ああ、ウチの子?ウチは娘やけど、もう30代後半なんよ~」
答えながら、大学生の子供がいるように見えたのかしらん、
いやいや、若いからオバサンは皆同じ様に見えるんだ、と思い直し、
それからは大いに話が弾んだのでありました。

お兄ちゃんの方も眉はいじったことがなく弟に続いて人生初めての眉カットを経験。
帰る時に「またお願いしま~す」と言ってくれたのですが・・・ホントかな? 


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nice copy! [仕事]

先週土曜日来店のSさんは私より10歳年下の公務員。
一番下の息子が高校生になって相手をしてくれなくなり
暇をもてあまして仕事中毒になりつつあるらしい。

髪を切っていると「なんか、頭が暑くて暑くて」と言うSさんは若白髪で、
三十代の頃から髪が真っ白な代わりにたくさんある。
私は「誰でもそうですよ。暑いし。特に後頭部が暑いでしょう。」と言いつつ
何故後頭部の髪が太くて多いのか、情報番組や新聞記事から得た知識を披露。

「あのね、頭頂部と、頭の下半分はホルモンが違うんですって。だから上が薄くなっても
 下の周り部分は薄くならないでしょう?今は下の濃い部分の髪を皮膚ごと薄くなった頭頂部に
 移植する技術が開発されてて、移植した髪は下の髪の性質をもったままだから一生もんなんですって。
 百万以上するらしいけど。」
「へぇ~そうなんや・・・知らんだわ。百万ねぇ。。」
しばらく考えたSさん
「じゃあ、今の、iPS細胞の技術でやれば、細胞やから簡単にできるかも」
「あ、そうですね!!」
間髪入れずSさん、はげの人に明るい未来!」
いつもまじめなSさんの口からこんな言葉が出たので一瞬ひるんだけど
気を持ち直して「うまい!名コピーやね!現実になった時のために大事に取っておかんと[わーい(嬉しい顔)]」 

な~んて言ったけど、いつになるか分からないのでお先に披露しちゃいました。


今朝
前の花壇の水やりを終え玄関に入ってきたら
マンリョウに何やら綿ぼこりのような白いかたまりが見えます。
いや、こんなに大きなゴミや綿ぼこりが付くはずがない。
よ~く見たら、
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 蕾ですね!
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 何年も前に庭で発見した鳥の贈り物。
 直射日光に弱いことも知らず鉢を日当たりの良い場所に置いていたら葉焼けしてしまい
 あわてて玄関に入れたものの、それからは思い出したように水をやり
 葉っぱがほこりで白くなるとスプレヤーで葉水を与える程度の世話の仕方でした。
 これからはまじめに世話をしようっと。
 

 


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サービス [仕事]

ずっと前にTVで見て欲しいと思っていた「べっ甲の耳かき」、
問屋さんのカタログに載っていたのを見つけ注文したのが今朝届きました。
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 お値段1700円(税抜き)
 今店で使っている煤竹のが1200円だったので今までで最高級の耳かきになります。
 べっ甲なのにシールには「本べっ甲牛角耳かき」とありますが
 柄の部分が牛角なのでしょうか。
 はたして使いごごちは?
 
 こちらは1本200円の「煤竹製」
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 常連さんに差し上げるサービス品なので10本購入。

 

これは何だと思いますか?
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 私の好きなラムネ菓子に似てますが
 顔そり後のローションパックに使います。
 小さな容器にこれを1個入れ、化粧水を5プッシュくらいたらすと
 水分を吸ってみるみるふくらみます。
 伸ばして顔に広げて5分置くと1000回パッティングしたのと同様の効果があるそうで
 実際終わって鏡に映ったお客さんの顔は色が白くなったように見えます。
 顔そり後のローションパックはサービス、
 パック中行う耳かきもサービスです。  


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珍しく一見さん [仕事]

今日は午後から雨の予報で
朝日は全く期待していなかったんだけど
ほんの一瞬だけ見ることができました。
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この後は厚い雲に覆われて・・

昔は欠かさず観ていた朝のテレビ小説、
この頃はあまり魅力を感じないのでほとんど観ていない。
それが前回の「おひさま」を主人公の子供時代を演じた子役の演技のうまさと
物語の舞台となった安曇野の風景の美しさに惹かれて見始めた。
主人公が大人になってしまってからは登場人物がいい人ばかりで面白味がなくなってしまったけど
結末がどうなるのかが気になり、惰性で最後まで見てしまった。

もうテレビ小説は見るまいと思っていたのに
次の「カーネーション」の番組紹介を見ていると
あのコシノ三姉妹のお母さんの一代記ということが分かり
再びチャンネルを合わせる羽目に・・

舞台は大阪 岸和田。
一回目から勇ましいだんじり祭りに目を奪われ
大きくなったら大工になってあのだんじりの上に!と目を輝かせる主人公の糸子。
周りから女の子にはムリだと言われ、しょげかえる糸子。
オープニングの、クラシックなミシンがとても懐かしく、ストップモーションアニメもとてもステキで
見ていて飽きない。

さあもうすぐ8時、朝の家事もそこそこにテレビの前に座ろうとしたその時
「おはよう!まだアレ回っとらんぜ(サインポールのこと)」と入ってきたのは近所のYさん。
お客さんなのにテレビを見られないことに心底がっかりしたけど
再放送があと2回あると思い直し出て行く。
(結局お昼の再放送はうっかり忘れてしまったので夕方のを予約録画)

Yさんとの会話の中で
上のお孫さん(女)の就活の話になり
「なかなかうまくいかんで、嫁はん(孫のおかあさん)機嫌悪いわ。
 この頃みんな景気悪いから仕事おかっさらん(おかない)からね~」
「(え、おく・・置く?何を置くんやろう)・・・」

相づちを打ちながらよ~く考えて、
この「おく」は仕事をやめるという意味だと理解。
Yさんは今勤めている人がなかなかやめないからお孫さんのための欠員が出ない
と言いたかったらしい。

「やめる」という意味の「おく」を久しぶりに聞いた方言だと思い
(昔 物事がうまくいかずに癇癪をおこした人が「えぇ~い、おいた おいた!」という風に言っていた)
後で念のため辞書で調べたら「途中でやめる 中止する」という意味も載っていたので
方言ではなかったことが判明。

次のお客さんは農家の80歳くらいの女性客Iさん。
カットと顔そりはお祭りが近いからかと思ったら
「兄がいつ逝くかわからん状態だから」と意外な理由。
お兄さんはいくつかと聞いたら
「93歳。な~ん、人ちゃあなかなか息切れんもんやね~」とサバサバした言い方にビックリしていると
もう長いこと病院に入っているのだそう。

Iさんに「今年の里芋はどうですか」と聞くと
「今年は里芋当たり!ものすごく大きいし、おいしい」とのこと。
その返事を聞いて里芋2千円分を注文した。


Iさんの顔を剃っていると、自転車を前に止めて年配の男性が入ってきた。
初めての人だなあと顔をみながら「もう少しかかりますけど」と言ったら
「はい、待ちます。初めて来ました!」と言って待合い椅子に座って週刊誌を見始める。
知らない人がわざわざ自転車に乗ってくるなんて、きっと誰かの紹介に違いないと想像する。

Iさんが帰った後初めてのお客さんを観察しながらタオルを首に巻き
「どうされますか」と聞くと「五分!五分刈り!」
「五分は長いから、縁だけ短いバリカン入れますか?」
「おお~、そんなこと初めてやわ!」
「いつも床屋で?」
「おお、床屋!」
受け答えがはきはきと元気がよい。

頭を終わって
「シャンプーは?」
「シャンプー、なし!」
「はい」

顔を剃るために椅子を倒し、
軟毛クリームを塗りながら鬚の面積がとても広い(顔半分)ので
「逆ぞりしても大丈夫ですか」と聞くと
逆ぞりしてもカミソリ負けしないとの返事。
髪は少なかったけど、このたくさんのヒゲをスベスベに剃るのは大変と心の中で思ったら
思わず「ヒゲ濃いですよね~、“こんなとこ”まで!」という言葉が出てしまった。
すると「こんなとこって、どこよ~」と思いがけず面白い返事が返ってきた。
「ここです。」とクリームで滑らせて喉仏の下をなぞると
「首?」
「そうです」

私、枯れた風で話の面白いおじいさん、嫌いじゃないです。




 


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原因究明 [仕事]

今日の午前中

常連客のHクン(35歳)の顔を剃っていると高校の同級生Oさん(女性)がやって来て

「ねえ、頭染めて欲しいがやけど、お昼まで終わるかねぇ」と言う。

「そうやねぇ、間に合わんかもしれんわ」

「そう?どうしよう、また今度にしようかな。
  ねぇねぇ、自分で染めてもな~んいいがに染まらんがやわ。何でかねぇ」

「う~ん、染まらない理由としては、髪が乾燥して傷んでる?ドライヤーのかけ過ぎかな」

「あら、ドライヤー、ダメなんけ?」

「熱で傷むかも」

「頭洗ってから地肌にバーッと当てて、それから冷たい風で乾かしてるんやけど」

「それなら傷まんわねぇ」

Hクンが目覚めないかと気にしながら喋っていると、爆睡中のHクンが「うんぁ?」と反応し

再び眠りに落ちた様子。

私「それで、染め薬付けて何分置いてる?」

Oさん「何分って、すぐ洗うよ」

私「・・・(絶句)  説明書読まんが?」

Oさん「そんなもん読むかいね~(笑)忙しいから、泡バ~ッと立てて、全体になじんだわと思ったら
     すぐ洗うよ。忙しいモン」

私「毛染めって、まずキューティクル、分かる?毛の表面のウロコみたいなやつ、あれをまず広げて
  色素を入れて、それから色が出ないようにキューティクルを閉じるが。化学反応を終えるまで時間が
  かかるがよ。」

Oさん「そうながけ?」

私「ちゃんと説明書き読んで。毛染めは時間と心に余裕があるときにやるもんやよ」

Oさん「わかった。じゃあやってみるね。ダメやったらまた来るわ」

時間がないOさんは帰って行き、

顔そりを終え目覚めたHクンの髪を洗って乾かしているとき

「Hクン、ストレスないがやね~、きれいな肌しとるわ」と言うと

「ストレスは結構あると思うんですが」

「ストレスは誰でもあるわよ、今の時代はね。でも、Hクンは発散するのがうまいんやわ、きっと。
 でも、楽しいことでもやりすぎるとストレスになるんよ」

「へぇ~、そうなんですか。ここで頭やってもらうのもストレスの解消になってますよ~。
 ガーって寝てたでしょ?」

ホント、Oさんと大声で喋っていた間ずっと熟睡してたもんね、Hクン。


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過干渉 [仕事]

一昨日、親子連れのお客さんがあった。

親子連れとは言っても子供の方は立派な体格で、母親より頭一つ分ほど大きい。

無精ヒゲは生えているけど顔は幼さが残るので10代か。

耳が半分ほど隠れるくらい伸びた髪をどうするのか、

注文を聞いても待合い椅子に座った母親を見るばかりで自分では答えない。

最初の印象では支援が必要な子か不登校かと思い

「え~っと(学年を聞いたら悪いかなと思ったので)何歳・・かな?」と言ったら

息子と母親が同時に口を開き

「16歳です」「16、高校1年」

何だ、ちゃんとした口きけるじゃないと安心したものの

16歳にもなって床屋に来るのに母親同伴とは・・と、また疑問符。

本人に何を訊いても一々母親を振り返り、母親が答える。

母親をわざと無視して本人の顔をのぞき込むようにして質問すると

きちんと敬語で答え、今時にしては真面目な子だと思えるのになぜ親の顔を見るのか。

とても難しい(頭が大きく、髪がかたくて多すぎる)頭を何とか仕上げ

顔そりに入ったとき、もう大人のヒゲが生え始めているので

「いつもはどんなカミソリ使ってるの?T字型の?電気の?」と聞いたら

本人の答えを待たず母親が「あの~、私が・・剃ってやって・・」と言ったので

「ええ~~!お母さんが剃ってるの?16にもなって!!!」

とついに本音を大きな声で言ってしまった。

お母さんの力が強大なんだと理解した私は本人耳の近くでささやいた。

「とりあえず、自分専用のカミソリを買って、自分で剃ろうね」

彼が力強くうなずいたので

「お母さん、怖い?」

「はい、コワイです」

「何言ってもだめ?」

「はい、通りません」

私はお母さんに訊いた。

「子供さん、一人?」

「いいえ、3人います」

「この子末っ子?」

「いえ、真ん中」

「ふ~ん」


いつもお節介をやきすぎるダメな私。

家に帰ったらこのお母さんは「もうあの床屋に行ったらだめ!」って言うだろうなぁ。


この日、庭に出ようとガラス戸の前に立ったら
目の前の柿の木にスズメが2羽甘えた声で鳴きながら降り立ったのです。
あら、珍しい、今年生まれた世間知らずの子雀かなとよく見たら
一羽はまだ羽の色が薄く、やはり子雀のよう。

すると隣家の屋根の上には親らしきスズメが留まり
盛んに「ぢぢぢぢぢ」と警戒の鳴き声をあげています。

鳥の世界も人間と同じように大人が子供に生きていく術を教えているのですね。
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 右が警戒心無しの若いスズメ
 「なんで人間に近寄ったらダメなんだよ~」
 「人間を甘く見たらいけません!」
 って言ってるようです。

 

 今年のスズランはこの一株しか花が咲きませんでした。
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 そして謎のアヤメ科(?)植物
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 お隣からもらった3年目のプリムラの間からニョッキリ。
 全く植えた覚えがないのに・・
 お隣の庭の一番奥に同じ葉の植物があります。
 どうやってここに来たのでしょう。


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接客業 [仕事]

理容の仕事は接客業だが、同じ接客業でも物を売る仕事と比べると
一人一人にかける時間は長く、密に接することになる。

なじんでしまうとずっと続けて来てくださるお客さんも多いので
その人が元気な頃から老いて来られなくなるまでお付き合いが続くことになる。
遠方のお客さんだったら、最初は車やバイク、運転できなくなると自転車、
自転車にも乗れなくなると若い世代の送迎となり、
最後は入院されたと風の便りに聞いたりもする。

今朝来店の女性客は多分70代前半だろう。
うちへ来てくださるようになってから20年以上経つが仕事や家庭の話はされないので
名前も知らない。
運転できないので若い頃は停留所2つのところからバスに乗って、
今は息子さんの休みの日に車で送ってもらって来てくださる。

今朝ドアを開けて入ってきた彼女を見て私は息を呑んだ。
いつもは3ヶ月くらいの周期で、今回はいつもほど髪が伸びていないということは
前回から2ヶ月ほど経っているのだろうか。
たった2ヶ月しか経ってないのに彼女がものすごく老けて見えたのだ。
椅子に座ろうと歩く姿は不自然に揺れ、座ってからも頭は揺れ続けている。
髪を切ろうとして櫛を入れても揺れは収まらず、どうも自分の意志では止まらないようだった。
ハサミを入れて切ろうとした瞬間、頭ががくんと後ろに倒れるので切れない。
この調子だと顔は剃れるのだろうかと心配し、いつもと違うお客さんの様子に戸惑い、
チラチラと鏡で様子を見ていると
彼女も自分の顔を鏡で見てため息をついているようだ。。
私はどう声をかけていいかわからず、こみ上げてくるものを抑えながら
だまってハサミを動かすしかなかった。


長い年月通ってくださる常連さんがだんだん老いていくのは見慣れているし
その間自分も年取っているので、老いは仕方のないものと理解はしているけれど、
2ヶ月くらいの短い間にこのように急激に老いた人を見るのは経験がない。

カットを終え、椅子をねかせても動きは止まないので
動きが止まる瞬間を狙ってなんとか顔そり終了。
洗髪して髪を乾かしているときに首の後ろの背骨の突起がやわらかい事に気付き
自分の首を触って固いことを確かめていると
初めて彼女が口を開き
「この頃、首がゴキゴキいうがやけど、何でかねぇ」と言った。
私が「頭を振った時ですか」と聞くと
「いや、何もせんでも」と彼女。
首の骨のぶよぶよ感と何か関係があるのだろうか。
私は彼女の急激な老け込みが病気のせいだと確信し、なるべく早い検査を勧めた。

散髪が終わり、「あ~スッキリした」と彼女、
迎えに来てもらおうと家に電話をかけようとしたら
電話番号を2回間違え
終いには「あら~、どうしょう、番号わからんようになった」と言う。
途方にくれる彼女を見て、「調べてあげます」と言ったものの
50音別の電話帳が1冊もないのに気付き
番号案内で聞くために初めて彼女に名前を聞き、なんとか息子さんに電話することができた。

「焦ったからなおさら番号が出てこんかったがですよ」と慰め
無事に送り出したのは良かったけど
さっき聞いたばかりの彼女の姓が思い出せない・・・

今日は私の誕生日。
常連の男性客Yさんは私と同じ誕生日で
誕生日を過ぎた頃に来たときには必ず「オレらの誕生日、晴れたやろ?」と自慢げに必ず言う。
毎年毎年言われ続けたので、今までは誕生日の天気など気にしたことなかったのに
昨日の夕方「明日はYさんが言うように晴れるのかなぁ」なんてつい思ってしまった。
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                                             (昨日の朝空)
 
昨日は曇りの予報で降水確率は40%だったけど午後から晴れ間が見えた。
 なので台風の影響で雨の予報が出ていた今日ももしかしたら晴れるかも、
 またYさんに自慢されるのかとうんざりしながら外を気にしていたが
 今のところ雨は止まずに一日降り続いている。
 次回のYさんの反応が楽しみだ。



 


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耳かき [仕事]

昨夜から雨が降り続き、今朝の空は暗いグレーの雲に覆われていた。
開店時間がきてドアの鍵をあけようとしたら
目の前に見えるお山の方から白い雲がむくむくとわき上がってきていて
色の対比がとても面白かったので写真を撮ろうとカメラを構えたとき
前を通りかかった自転車の男性と目が合った。
男性は自転車を止めUターンさせたので、これはお客さんだウチに来るぞと思ったら
案の定彼は店のドアに直行してきた。

写真は取り損ねたけど、滅多にない一見さんに来てもらえたことだし
札幌出身で30歳代だというの彼とは雪の話題や仕事の話で盛り上がり
雪祭りの裏話なども聞かせてもらえてめでたしめでたし。

顔を剃っている間にうとうととしていた彼に耳掃除しますかと聞いたら
半分意識のない回らぬ口で「はい、してくらさい」との返事。
大きな声でもう一度確かめてから耳掃除をしたけれど
してくださいという割には耳垢はほとんどなく、
よっぽど耳をいじるのが好きでいつもやっているのかなと推測した。


ウチでは“銀メッキ”やワイヤーを重ねた“ののじ”、“竹製”のを2種
お客さんの好みに応じて使い分けている。
長年の常連さんで耳掃除大好きのお客さんに大量生産の竹製耳かきを差し上げると
大抵大喜びされる。
市販の耳かきはスプーンの部分が厚みがあって使いづらいからだ。

耳かきをあげると喜ばれるお客様が多いので
年末などにお客様に差し上げるサービス品のカタログにこんな物を見つけて注文してみた。
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 耳かきの使い勝手は、プラスチックなのでこんなものかという程度。
 値段も安いし。
 サインポール耳かきの手前のブラシみたいなものは、梵天の役割を果たすみたい。
 娘愛用のブラック綿棒(粘着)の在庫があと少ししかないので
 無くなったらこれを使ってもらおう。
 果たして使い心地は??(何せ安いから)

店で使っている竹製耳かきと梵天
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 真ん中が大量生産の安いもの(300円程度)
 
手前の色の濃い耳かきは10年ほど前に買ったもので、確か1200円くらいだったか。
 竹が繊細でしなやか、毎日使っていると1200円は安いと感じますね。
 折れたら困るので予備に買っておこうと問屋さんに聞いたら
 もうないそうです。
 材料も、手間暇かけて作る職人さんもいないってことでしょうか。


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だまされやすい私 [仕事]

常連客のYさんは60代後半。
ウチへ来てくださるようになってからもう30年近くになる。
若い頃のYさんは耳の上の髪はすっきりと切るけど、他は長めの注文だった。
Yさんの頭には数カ所傷があり、それを隠すために髪を長くしているのだと推測していた。

ある時その傷の理由を聞いたことがあった。
Yさんの答えは・・
「ネズミにかじられたんや」。
私はそれをそのまま信じていた・・・・・長い間。

昨日真っ黒に日焼けしたYさんが来て
椅子に座るなり「角刈りみたいに短くしようかな」と注文された。
ゲートボール仲間でYさんと同じくらいの髪質の男性がやはり短く刈ってきて似合っていたのだという。
私は「こんなに短くするの、初めてですよね」と言いながら
後頭部と頭頂部の傷が露わにならないよう慎重に鋏を入れ
最終的には長めのスポーツ刈りが出来上がった。

帰り際、Yさんに「短くしたらかえって傷が目立たなくなって安心しました」と言うと
Yさんは「オレ、同級生の従弟が3人いるんやけど、全員肩やら顔やら頭にやけどの跡あるんや」と突然言いだし
何のことか分からずにきょとんとしていたら
「オレら小さい頃はどの家にも囲炉裏があってさ、みんな落ちてさ~」

ここで頭の傷の事を言っているのだと理解でき、
「昔ネズミにかじられたって言ってませんでした~?」と言うと
「いいや、やけどの跡」とYさん。

20年以上経って初めて分かった真実に暫し呆然。
冗談を真に受けて長い間疑いもしなかったバカな私。。。


夏野菜がたくさん採れ、あふれるこの時期
女性客がよく口にされる話題は「野菜どうやって食べる~?」というのが多い。


家庭菜園でいろんな野菜を作っているHさんに
ナスの食べ方を聞いてみたら
「漬け物やろ~、あとは・・煮る?」

炒めることが多い私は早速Hさんの顔を剃りながら煮方を聞き、
今朝思い出しながら作ったのがこれ。
  20100805nasumiso.jpg
  Hさんが言っていたやり方は
  ナスの皮を縦に半分ほどむき
  フライパンで炒めるとすぐにやわらかくなるから味噌を入れ
  七味も振る。
  すると水が出てくるから、その水分でしばらく煮て出来上がり。

  Hさんはオクラも煮て食べると言っていたので一緒に炒めてみました。
  火力が弱かったからかすぐにやわらかくならず、水も出てこず
  結果的に歯ごたえの無いものに仕上がってしまいました。
  味は大変おいしかったので
  次は強火でパパッとやってみようかと思います。

  20100805sarada.jpg
  頂き物のキュウリもたくさんあるので
  せん切りにしハムと合わせてサラダに。
  これでキュウリ1本分です。
  味付けは塩コショウと少量のマヨネーズのみ。


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